
〜ゴミのポイ捨ては、カッコ悪い!〜 コミュニケーションの力で環境やモラルの意識改革
NPOの運営を通じて、ボランティアをやりたい市民の受け皿づくりと、行政や企業との連携による仕組みづくりのため、得意とするコミュニケーション、プロモーションの力を駆使して、全国に拡がるネットワークを構築していこうと尽力する人々がいます。 広告の仕事をする傍ら、原宿・表参道発のNPO「グリーンバード」や「富士山を世界遺産にする国民会議」の設立・運営に携わった、嶋瀬徹さんにお話を伺いました。
◆嶋瀬徹(しませとおる) 1974年生。慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中はアメリカンフットボール部で活躍。2000年12月株式会社博報堂退社。ボランティアで、NPO法人 greenbird(現、理事)、NPO法人 富士山を世界遺産にする国民会議(現、運営委員会委員 シニアプロデューサー)の設立、運営に携わる。本業では、さまざまなプロジェクトのプロデューサーとして活動。
NPO法人 greenbird : http://www.greenbird.jp/ NPO法人 富士山を世界遺産にする国民会議 : http://www.mtfuji.or.jp/
■僕が広告代理店を辞めた理由
僕は大学卒業後、広告代理店の営業として充実した日々を送っていましたが、プロデューサーとしてさまざまなチャレンジ(当時は、特にスポーツ関連)をしたいとの思いが強くなり、一念発企スポーツビジネスなどを学ぶため退職し渡米しました。 ニューヨーク(マンハッタン)に在住していた姉の家にホームステイし、そこで生まれたばかりの甥っ子と親しく過ごす中、漠然とこれからの子どもたちの未来を明るく心地良いものにしたいと僕は考えるようになっていました。
■NPOとの出会い
以前にはNPOやボランティアとは全くかかわりのない仕事をしていましたが、帰国後はさまざまなプロジェクトにかかわる傍ら、会社の先輩だった長谷部健さんの手伝いを始めました。長谷部さんは博報堂を退職後、2003年東京の渋谷区議会議員となって、NPO・行政・企業が連携した渋谷区の街づくり構想を提案し、プロジェクトとして採択されて実現に向け進めています。
その中で僕は、2003年の立上げよりNPO法人「グリーンバード」の設立に参画しました。それがNPOとの出会いであり、広告の仕事での経験をNPOの運営で生かすことができたのです。
2003年8月、大盛況の原宿表参道元氣祭「スーパーよさこい2003」で、全国から集まったよさこいチームのパーフォーマンスとともに、Green birdも“そうじ”でお祭りに参加しました。
■NPOの発展に必要なのはネットワークづくりです
「グリーンバード」は「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに、原宿表参道の商店会組合(青年部)の方たちが中心になって始めた「街のそうじ」がきっかけとなり、設立されました。「自分たちが住む街をもっとキレイで、もっとカッコイイ街にするために」との呼び掛けを全国に行い、今や原宿表参道のほかに11チームができ、国外(パリ)にも活動の輪が広がりました。
Green birdパリでは、ポンピドゥーセンター前の広場をお掃除しました。
音楽セラピストのまみさん、パリのワイン屋の女将ちかさん、初代グリーンバード歌舞伎町リーダーで、現在ロンドンで勉強中のフミノも参戦してくれました。
■NPOを運営していく上で、資金と人材の確保は大きな課題
NPOを個人からの会費だけで運営していくことは大変難しく、企業(法人)に積極的に協力を仰ぐことが必要となります。グリーンバードが発信するメッセージを一人でも多くの人に届けられるよう、さまざまな工夫をしながらPR・啓発活動を実施しています。
 Green birdカードNo.6 「空がきれいに見えるのはゴミが落ちていないから。」
資金、人材に限りのあるNPOだからこそ、運営にかかわる一人ひとりの役割が重要です。街頭メディアを活用したCM制作やポストカード、企業協力によるイベント、ロゴマーク入りのビブスや軍手といったさまざまなスイッチ作りにおいて、企業、行政、一人ひとりの仲間があってのことで成立しています。
 Green birdロゴ入りビブス&グローブ
■チームで活動を考える
「ゴミやタバコをポイ捨てしない。」と宣言すれば、誰もがグリーンバードのメンバーです。「街を汚すことはカッコ悪いことだ。」という気持ちを持つだけでいいのです。気軽に参加できるよう、ハードルを低くすることがボランティアを継続する秘訣だと考えています。ボランティアの負担が大きいと継続は難しくなってきます。 また、活動内容は各チームのメンバーに任されており、個性的な全国のチームリーダーを中心に活動計画が立てられ、参加者を募って実践されています。
 Green birdロゴマーク。合言葉は“KEEP CLEAN. KEEP GREEN” イラストレーター・寄藤文平(よりふじ ぶんぺい)
■富士山を世界遺産に!
2005年からは「富士山を世界遺産にする国民会議」(以後「富士山会議」と略す)の設立も参加しています。富士山会議は中曽根康弘元首相を会長に、富士山を世界文化遺産にするため広く国民の理解を得て、地元行政(静岡県、山梨県)から政府へ申請し、ユネスコ世界遺産委員会の採択を得る大きなプロジェクトです。
未来まで美しい富士山を引き継ぐために、あなたも一緒に富士山を世界遺産にしませんか?
富士山会議の立ち上げに参画したのは、富士山を世界文化遺産にすることに賛同したからではありません。私たちが誇る富士山の美しさを未来に残すために、世界文化遺産に登録されるプロセスの中で、美しい富士山を残し保護していくしくみを作ることが大切だと考えたからです。
 2008年3月に開催された「富士山世界文化遺産シンポジウム」 遠山敦子さん、中村吉右衛門さん、山下泰裕さんをパネリストに迎え、 さまざまな分野の日ごろボランティアに参加できない方も大勢来場されました。
以前から僕は、ボランティアをやってみたいという人は多いのに、その誰もが気軽に参加できるような受け皿が少ないと感じていました。富士山会議では、富士山を守るための官民一体の仕組みとして、地元行政(静岡県、山梨県)、および、地元新聞社(静岡新聞社、山梨日日新聞社)で運営する「富士山基金」を2006年に設立しました。 一人ひとりのちょっとの協力で、富士山がいつまでも美しい姿で保存管理されるよう、皆さまのご協力をお待ちしてます!
 富士山世界文化遺産キャンペーンロゴマーク 「みんなの協力がひとつのピースになり美しい富士山を完成させよう!」 環境問題やマナー違反、世界遺産になれるために欠けていることを、 みんなでうめていこうというメッセージを込めて制作したキャンペーンマークです。 アートディレクター・田中元(たなかげん) / コピーライター・倉成英俊(くらなりひでとし)
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