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「最高の人生の見つけ方」
発売・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:9月25日 \3,980

月の午後、映画でも見ようと思った。新宿の小さな映画館。看板には「最高の人生の見つけ方」というタイトル。どうも見たい気はしなかったが、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという2大オスカー俳優の共演ということが興味を引いた。それで切符を買った。久々に感動した。感動といっても大粒の涙をポロポロと流す号泣ではない。そこはかとなく静かに込み上げてくる感動である。「生き方を変えろ」と大声で叫ぶような映画ではなく、「俺たちはこんなふうに人生を終えたんだよ、面白いだろ」とささやき声で語りかけてくるような映画だ。

 主人公のカーター(モーガン・フリーマン)とエドワード(ジャック・ニコルソン)は、性格も資産も全く違うが、余命6ヶ月という共通点がある。死を目の前にして、2人は失望するのではなく、人生をエンジョイする生き方を選ぶ。ユーモラスでそう快な映画だ。

 原題の「THE BUCKET LIST」(バケットリスト)とは「棺おけリスト」という意味である。棺おけに入る前に自分がやりたいこと、体験したいことを書きつづるリストのことだ。カーターは、自分の夢をあきらめ大学を中退。その後、家族を養うため40年以上も自動車整備工として働き続けてきた。そして、病床で人生を振り返ったとき、妻や娘を守るために自分の夢を犠牲にしてきたことに気づく。それは長い間、心の中に封印していた思いでもあった。

 カーターの棺おけリストは「知らない人に優しくする」「絶景を見て感動する」など、当たり障りのないことばかり。一方、大富豪のエドワードは老体にしてなお刺激を追い求めるプレイボーイだ。「ライオン狩りをする」「世界一の美女にキスをする」「タトゥーを入れる」など。エドワードはカーターを誘いだし、自家用ジェットに乗って、リストアップした内容を1つずつクリアしていく。最初は戸惑っていたカーターもしだいに興奮していく。

 2人はお互いの人生の深いところに踏み込んでしまい、時にはおせっかいから衝突することもある。しかし、2人の間には、家族にも入り込めない不思議な親密感が芽生えていた。

 映画が終わってふと思った。「最高の人生の見つけ方」とは、やりたいことをやれ、ということか。やりたいこともやらずに我慢して生きていて何になる。いったい何のために生まれてきたのか。そうだ、僕もさっそく「棺おけリスト」を作ろう。そして、それを一つずつクリアしていく。そういう生き方をしようと思った。


文●きむらたかし ( WEB 「 ぼらんたーるネット 」 オリジナルコンテンツ )